炎症性粉瘤手術
お客様に治療内容、費用等に関する事項を説明することを目的としています。
炎症性粉瘤とは?
炎症性粉瘤は、粉瘤に炎症が起こることで急速に大きくなり腫れて痛みがある状態のものです。熱感が伴う場合も多いです。
患者様の中には、炎症が起きてから初めて粉瘤があったことに気付く方もいらっしゃいます。
炎症性粉瘤は、膿が溜まることもよくあります。炎症性粉瘤は放置すると破裂してしまいます。炎症が強い場合は、発熱・倦怠感などが出ることもあります。



炎症性粉瘤治療の予約
炎症性粉瘤ができる原因
以前までは、粉瘤に細菌が感染することが原因とされていましたが、現在は細菌に感染することによる炎症性粉瘤よりも、粉瘤が割れて内容物が皮膚内に漏れ出し異物反応を起こしていることが炎症性粉瘤ができるの原因の大部分であるとわかってきました。
つまり、粉瘤が圧迫されたり摩擦が起きることがきっかけとなり粉瘤が破裂し、粉瘤の内容物(角質、皮脂、垢)が皮膚の中でばら撒かれることで炎症を引き起こしているのです。
炎症性粉瘤は、体のどの部位にも起きる可能性はありますが、圧迫や摩擦が起こりやすいお尻や背中は、炎症性粉瘤が起こりやすい部位です。

炎症性粉瘤の治療方法
「切開」に加え「排膿」「抗生剤の内服や外用」でとにかく腫れを抑えることが必要となります。放置した場合は、細菌感染をする可能性は高まるため抗生剤の投与が必要です。
炎症性粉瘤は、細菌感染が原因である可能性は低く、異物反応による炎症性粉瘤の可能性が大部分を占めます。そのため、抗生剤の投与による治療のみでは効果が限定的なため、根本的な治療にはなりません。抗生剤は、あくまで細菌感染の予防、感染拡大の予防。
炎症性粉瘤は異物反応が原因で起こることが多いため、根本的な治療方法として粉瘤の内容物と袋自体を取り除くことが必要になります。
炎症性粉瘤の手術「くり抜き法(パンチを使った手術)」
①治療部位にマーキングをする
②マーキングをした部位に局所麻酔を打つ
③パンチで粉瘤に小さな穴を開ける
④粉瘤を抜き取る
⑤傷口の大きさによっては治療部位を縫って手術終了
くり抜き法の利点
①手術時間が短い
②傷跡が極めて小さくてすむ
③手術の際の傷跡の大きさ次第では縫わずにすむ場合もある

手術後のケアについて
手術後はいつも通り出勤、通学をしていただいて問題ありません。
※学生さんの場合は念の為、体育の授業は1週間見学をお願いしております。
①手術当日は、治療部位は洗わないようにしてください。
②手術の翌日からはシャワー浴にてご自身で傷口を洗っていただきます。シャワー後は治療部位に処方された薬を塗り、ガーゼとテープで覆っていただきます。
※治療部位以外は通常通り洗っていただいて問題ありません。
※傷パワーパッドを貼るのは避けてください。
③薬の塗布、ガーゼでの保護は1週間継続して下さい。
※翌日以降、出血、排膿が治まっている場合は抗生剤内服を続けてください。
④1週間後に抜糸をした後は、通常通りの生活を行っていただいて問題ありません
【日常生活の制限】
■手術当日は、傷を洗うことはできません。
■手術翌日からは1週間は傷を湯船にはつけないでください。シャワー浴のみでお願いします。傷口は優しく洗っていただいて問題ありません。
■手術後48時間は飲酒、運動を控えてください
■手術後1週間は激しい運動はお控え下さい
【手術後のダウンタイム・合併症】
■内出血を起こす可能性がある
通常内出血は1週間から10日ほどで改善します。
■治療後、傷跡が残る
赤みや黒ずみは半年程度で消えることがほとんどです。赤みや黒ずみが消えると、傷はそれほど目立たなくなります。
赤みや黒ずみを早く消したい場合は、ハイドロキノンなどのクリームを使用することをおすすめしています。
■患者様の体質によっては、ケロイドになる場合がある。
フォト、ステロイド注射による治療が可能です。
■傷口が開いてしまうことがある(縫合不全)。
通常軟膏の治療のみで1週間程度で治ります。
AdeBクリニックの粉瘤手術のこだわり
①AdeBクリニックでは、これまでの皮膚を紡錘形に切開し粉瘤を取り除き縫い合わせる手術方法とは異なり、パンチを使用したくり抜き法を用いて手術を行っていきます。
くり抜き法は従来の方法と比較して、傷口がかなり小さくなるため、手術後の傷口の治りの速さや傷口の目立ちがかなり軽減されます。AdeBクリニックでは、綺麗に確実に治療をすることを第一に考え粉瘤の治療を行います。
②粉瘤はほとんどの場合が良性の腫瘍になりますが、ごくまれに「有棘細胞癌」や「基底細胞癌」が合併している患者様がいらっしゃいます。そのため当院では、粉瘤の切除後、必ず病理検査に出します。
悪性腫瘍は進行が早く、他の臓器に転移する可能性もあります。切除と病理検査によって悪性腫瘍のリスクを軽減・回避することが大切だと考えています。