粉瘤手術(アテロームを除去 保険診療)
粉瘤とは?
粉瘤は、皮膚の中にもう一つ皮膚の袋が形成され、その中に本来垢となって剥がれ落ちる角質がたまる良性腫瘍です。別名、アテローム・表皮嚢腫とも呼ばれます。
初期段階は米粒程度の小さな袋ですが、袋の中に角質・皮脂が溜まり袋が徐々に大きくなっていきます。溜まった角質・皮脂が排出された時には、悪臭が生じる場合もあります。
粉瘤は体のどの部分にもできますが、特に背中・首・顔面に生じることが多いです。大きいものだと10センチ程度のサイズになるものもあります。
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※当院の粉瘤治療は2cm未満のものに限ります。
粉瘤の5つの特徴
①押したり、刺激を与えると嫌な臭いがしたり、角質や皮脂の塊が出てくることがある
②青黒っぽく変色することがある
③短期間で大きくなることがある
④放置していても改善することがない
⑤潰すと炎症や感染の原因になり、余計に大きくなることがある
⑥粉瘤の真ん中あたりには、開口部と言われる黒い毛穴の開きが見られる
粉瘤の症例写真
【症例①】
粉瘤の特徴となる黒い点はまだ現れていないですが、ぽっこりと盛り上がっているのがわかります。
【症例②背中の粉瘤】
粉瘤の特徴である、黒っぽい点が見られます。
【症例③腰】
粉瘤の特徴である青黒い色と、開口部と言われる毛穴の開きがはっきりと見られます。
粉瘤の手術は保険適用?
粉瘤の手術は、保険適用内で受けることが可能です。治療費用は、保険が適用された3割負担と1割負担の目安を掲載しています。また、手術といっても短時間で治療を終えるため日帰りでの治療です。
手術費用
皮膚・皮下腫瘍摘出術(露出部)
3割負担の場合 | 1割負担の場合 | |
直径2cm未満 | 5,000〜6,000円程度 | 2,000円程度 |
直径2cm以上 | 当院では治療不可 | 当院では治療不可 |
皮膚・皮下腫瘍摘出術(露出部以外)
3割負担の場合 | 1割負担の場合 | |
直径2cm未満 | 5,000〜6,000円程度 | 1,500円程度 |
直径2cm以上 | 当院では治療不可 | 当院では治療不可 |
※非露出部とは、体幹、上腕、大腿など半袖や半ズボンで隠れる場所
※症状によっては処置できない場合もあります
粉瘤の治療方法
粉瘤の手術「くり抜き法(医療器具(パンチ)を使った手術)」
①治療部位にマーキングをする。
②マーキングした部位に局所麻酔を打つ。
③医療器具(パンチ)で粉瘤に粉瘤に小さな穴を開ける。
④圧出しながら粉瘤を抜き取る。
⑤場合によっては、治療部位を縫う。
⑥治療部位を止血し、ガーゼで保護、テープで固定をし手術は終了。
くり抜き法の利点
①手術時間が短い
小さな粉瘤であれば、治療自体は5分から10分程度で済みます。
②傷跡が極めて小さくてすむ
当院では5mm以下の医療器具(パンチ)で治療を行いますので、傷跡も極めて小さく治療後目立たなくなることほとんどです。
③手術の際の傷跡の大きさ次第では縫わずにすむ場合もある
AdeBクリニックの粉瘤手術の2つのこだわり
①AdeBクリニックでは、これまでの皮膚を紡錘形に切開し粉瘤を取り除き縫い合わせる手術方法とは異なり、パンチを使用したくり抜き法を用いて手術を行っていきます。
くり抜き法は従来の方法と比較して、傷口がかなり小さくなるため、手術後の傷口の治りの速さや傷口の目立ちがかなり軽減されます。AdeBクリニックでは、綺麗に確実に治療をすることを第一に考え粉瘤の治療を行います。
②粉瘤はほとんどの場合が良性の腫瘍になりますが、ごくまれに「有棘細胞癌」や「基底細胞癌」が合併している患者様がいらっしゃいます。そのため当院では、粉瘤の切除後、可能な限り病理検査に出します。
悪性腫瘍は進行が早く、他の臓器に転移する可能性もあります。切除と病理検査によって悪性腫瘍のリスクを軽減・回避することが大切だと考えています。
手術後のケアについて(日帰り)
手術後はいつも通り出勤、通学をしていただいて問題ありません。
※学生さんの場合は念の為、体育の授業は1週間見学をお願いしております。
①手術当日は、治療部位は洗わないようにしてください。
②手術の翌日からはシャワー浴にてご自身で傷口を洗っていただきます。シャワー後は治療部位に処方された薬を塗り、ガーゼとテープで覆っていただきます。
※治療部位以外は通常通り洗っていただいて問題ありません。
③薬の塗布、ガーゼでの保護は1週間継続して下さい。
④1週間経過後、経過の診察にご来院ください。ほとんどの方では1週間ほどで通常通りの生活を行っていただいて問題ありません。
※1週間後のご都合が合わない方は、手術の際にご相談ください。
※6センチを超える大きな粉瘤を手術した場合や、感染が強い場合などは治癒までに時間を要するケースがあります。ご了承ください。
【日常生活の制限】
■手術当日は、傷を洗うことはできません。
■手術翌日からは1週間は傷を湯船にはつけないでください。シャワー浴のみでお願いします。傷口は優しく洗っていただいて問題ありません。
■手術後48時間は飲酒、運動を控えてください。
■手術後1週間は激しい運動はお控え下さい。
【手術後のダウンタイムと合併症】
■内出血を起こす可能性があります。
通常内出血は1週間から10日ほどで改善します。
■治療後、傷跡が残る。また大きな粉瘤を治療した際に凹みが残る可能性があります。
赤みや黒ずみは半年程度で消えることがほとんどです。赤みや黒ずみが消えると、傷はそれほど目立たなくなります。
■患者様の体質によっては、ケロイドになる場合があります。
フォト、ステロイド注射による治療が可能です。
■傷口が開いてしまうことがあります(縫合不全)。
傷が開いた場合は、通常軟膏の治療のみで1週間程度で治ります。
粉瘤ができやすい部位
顔
粉瘤は顔のどこにでもできて、小さい段階で気が付く患者様が多いためあまり大きくなることはありません。顔の粉瘤は、膿の溜まったニキビやケロイド、化膿性汗腺炎などと間違えられることが多いのが特徴です。
顔の粉瘤の治療方法
顔の粉瘤は、綺麗に治療を行う必要があります。従来のメスを使った切除術よりも、当院で行っているパンチによるくり抜き法がメリットが大きいと考えています。
例えば、1cmの粉瘤ができた場合、従来のメスを使った手術方法では2、3cmの傷が残ってしまいます。しかし、当院のパンチによるくり抜き法は、1cm程度の粉瘤の場合3mmのパンチで十分粉瘤をくり抜くことが可能となります。傷は自然と収縮する傾向があるため、3mmよりも傷が小さくなる傾向があります。
治療できない部位
粉瘤の治療におきましては、頭部、耳、唇、胸骨、陰部、手のひら、足の裏は治療できませんのでご注意ください。
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