オゼンピックの「ダイエット効果」は本当?噂の真相と副作用を徹底解説
※本記事で解説するオゼンピックのダイエットへの応用は、国内では承認されていない適応外使用(自由診療)です。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、当薬剤の使用を推奨するものではありません。
※治療の可否、および使用に関する一切の判断は、必ず専門の医師と相談の上、その責任において行ってください。
※承認外の医薬品の使用により健康被害が生じた場合、公的な救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外です。

オゼンピックにはどんなダイエット効果がある?

オゼンピックの使い方や使用期間を知りたい!
オゼンピックは、2型糖尿病の治療薬として開発されました。
近年、オゼンピックが持つ食欲抑制作用などからダイエット目的での利用が増えています。
しかし、本当に痩せるのかどうかや副作用の有無など、効果面で気になる人も多いでしょう。
本記事では、オゼンピックの概要やダイエット効果、正しい使い方や注意点、副作用まで丁寧に解説します。
もくじ
オゼンピックとは?基礎知識をおさらい!
オゼンピックは、GLP-1受容体作動薬という種類の注射薬で、有効成分はセマグルチド(一般名)です。
GLP-1は、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促す消化管ホルモンです。
オゼンピックは、このGLP-1の働きを模倣し、胃の内容物の排出を遅らせて血糖値の上昇を緩やかにする作用も持ちます。
胃の動きがゆっくりになることで満腹感が得やすくなり、自然な食事量の調整をサポートします。
医師の管理下で正しく用いることにより、計画的な体重管理を目指す選択肢の一つとして注目されています。
オゼンピックは痩せない?期待される3つのダイエット効果(作用)
オゼンピックのダイエット効果は、それぞれの働きが合わさって作用し、食事量の減少と代謝向上を通じて体重減少を後押しします。
ここでは、3つのポイントに分けて詳しく見ていきましょう。
食欲が抑制され食べ過ぎを防ぐ
オゼンピックの最大の特徴は、食欲抑制効果です。
脳の視床下部にある満腹中枢に作用し、空腹感を和らげ過剰な食欲を抑えてくれます。
食事をしていない空腹時でも、あまりお腹が空いていないと感じられるようになるため、間食やドカ食いの衝動を抑えることが可能です。
過食がコントロールできれば摂取カロリーが自然と減少するため、無理な我慢をせずとも体重減少につながりやすくなります。
満腹感が持続する
オゼンピックは、少量の食事でも満腹感を長時間持続させる効果があります。
これは有効成分であるセマグルチドが胃腸の動きを緩やかにし、胃内容物の排出を遅らせる作用によるものです。
普段より少ない食事量でも満腹感を感じ、満腹感がいつもより長く続くため、食後にすぐまた何かを食べたくなる欲求を抑えることができます。
食後のデザートがやめられないという方でも、オゼンピック使用中は余計な間食をせずに済みます。
結果として、一日の総摂取カロリーを無理なく減らすことができ、ダイエットの大きな助けとなります。
エネルギー消費のサポートをしてくれる
オゼンピックには、食事量を減らすだけでなく、体内のエネルギー消費をサポートする働きも報告されています。
私たちの体には、性質の異なる2種類の脂肪があります。
2種類の脂肪をわかりやすく解説!
- 褐色脂肪細胞:脂肪を燃やして熱を生み出す
- 白色脂肪細胞:エネルギーを脂肪として蓄える
オゼンピックの有効成分には、褐色脂肪細胞を活性化させる働きが期待されています。
さらに、一部の「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」に近い性質へ変化させること(ベージュ化)も報告されているのです。
これらの点が、オゼンピック本来の用途以外である「減量」で注目され始めた理由と言えます。
オゼンピックでダイエットは怖い?副作用と危険性
ダイエット効果を持つオゼンピックですが、一方でいくつかの副作用のリスクも認められています。
多くは一過性で軽度な症状ですが、中には注意すべきものもあります。
ここでは特に多い胃腸症状、注意が必要な低血糖、稀ではあるものの重大な4つの副作用について解説します。
胃腸症状
オゼンピックの副作用で比較的よく見られるのが吐き気や胃もたれ等の胃腸症状です。
具体的には、胃のむかつき・吐き気、食欲減退、便秘や下痢といった消化器系の不調が挙げられます。
これらはオゼンピックの作用で胃の動きが緩やかになることや、食事量が減ることに体が慣れないために起こる一時的な反応です。
最初は気持ち悪くて辛いかもしれませんが、2〜3週間すると慣れてくる人がほとんどです。
症状が長引いたり重いと感じたりした場合は、早めに医師に相談して対処法を仰ぐことが大切です。
低血糖
オゼンピック単独で治療している限り、低血糖が起こるリスクは比較的低いとされています。
血糖値が高い時にのみインスリン分泌を促す仕組みのため、正常な血糖時には過剰に血糖を下げにくいからです。
しかし、他の糖尿病治療薬と併用している場合には注意が必要です。
オゼンピックの作用で食事量が減ったりすると、併用薬の効果によっては低血糖症状が出る可能性もあります。
万一、低血糖を疑う症状が出たらブドウ糖を補給するなどの対処をし、必要であれば医療機関を受診してください。
重篤な副作用①膵炎
GLP-1受容体作動薬全般にいえることですが、稀に急性膵炎が発生したとの報告があります。
頻度は高くないものの、重篤な症状に繋がる可能性があるため注意が必要です。
急性膵炎になると上腹部の激しい痛みや嘔吐が突然起こり、その痛みが背中にまで放散することもあります。
オゼンピック使用中にこのような激しい腹痛が出現した場合は、すぐに使用を中止して速やかに医師の診察を受けることが大切です。
重篤な副作用②胆嚢炎(たんのうえん)・胆管炎
オゼンピックのようなGLP-1受容体作動薬は、胆汁の流れに影響を与える可能性が指摘されており、稀に胆嚢炎や胆管炎が報告されています。
頻度は稀ですが、入院や手術が必要になることもあるため、注意が必要です。
主な症状として、上腹部の持続的な激しい痛み(特に食後)、発熱、嘔吐、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)などが挙げられます。
オゼンピックの使用中にこうした症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
重篤な副作用③イレウス(腸閉塞)
オゼンピックが胃腸の動きを緩やかにする作用を持つことから、ごく稀に腸の動きが著しく低下、または停止してしまうイレウス(腸閉塞)が報告されています。
こちらも頻度は稀ですが、命に関わる可能性がある重篤な副作用です。
主な症状は、著しい便秘、お腹の張り、持続する腹痛、嘔吐などです。特に、腹部の手術歴がある方は注意が必要とされています。
このような症状が続く場合は、自己判断で便秘薬などを使わず、直ちに医療機関を受診することが極めて重要です。
重篤な副作用④アナフィラキシー・血管性浮腫
頻度は不明とされていますが、重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーや血管性浮腫も副作用として報告されています。
これらは、命に関わる可能性があるため、極めて迅速な対応が必要です。
アナフィラキシーは、血圧低下や意識障害などを引き起こす、全身性の激しいアレルギー反応です。
血管性浮腫は、突然、顔やまぶた、唇、舌などが腫れあがり、特に喉が腫れると窒息の危険があります。
オゼンピックの使用中にこうした症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
通販(個人輸入)は絶対NG!医師の処方が必要な理由
オゼンピックのような医療用医薬品は、医師の診察と処方のもとで使用することが法律で定められています。
最近ではオンライン診療も普及していますが、「通販(個人輸入)」とは全くの別物です。
ここでは、その違いと危険性について、正しく理解しておきましょう。
オンライン診療が推奨される理由
オンライン診療は、スマートフォンやパソコンを使い、ビデオ通話などで医師の診察を受ける正規の医療行為です。
忙しい方や、近所にクリニックがない方でも、自宅から専門家の診断を受けられます。
オンライン診療では、医師があなたの健康状態や体質をきちんと問診した上で、安全な用法・用量を処方してくれます。
万が一、副作用が出た場合でも、すぐに処方医に相談できるため安心です。
通販(個人輸入)が危険視される理由
医師の処方箋なしに、海外のサイトなどから医薬品を購入することを「個人輸入(通販)」と呼びますが、これには命に関わる重大なリスクが伴います。
通販(個人輸入)を利用するリスク
- 届いた薬が偽物である可能性
- 重篤な副作用が起きても、対処が遅れる危険性
- 「医薬品副作用被害救済制度」は適用外
このようなリスクを防ぐためには、しっかりと医師の診察を受けて処方を受けることが重要です。

病院に行く時間はないから…と個人輸入したオゼンピックを服用することは絶対にやめましょう。
オゼンピックの正しい使い方と注意点
オゼンピックはペン型の注射器のため、自分で皮下注射を行います。
ここでは、正しい使い方と、安全のためのルールを事前に覚えておきましょう。
STEP① 週に1回、同じ曜日に投与する
オゼンピックは、週に1回のペースで投与する薬品です。
これにより、血の中の薬の濃度が安定し、一貫した作用を得やすくなります。
例として「毎週月曜日の朝」と決めたら、次の週も同じように月曜の朝に注射する、という習慣を守ることが、効果を安定させるコツです。
もし「うっかり打ち忘れてしまったとき」は、慌てずに処方医に相談し、指示を仰ぎましょう。
STEP② 注射針を本体に取り付ける
次に投与の準備です。
オゼンピックのペン型注射器本体に、毎回新しい専用針を正しく装着します。
ペン先のキャップを外し、針の外側キャップについている保護シールをはがしてください。
そのままペン先にまっすぐ押し当て、軽くカチッと音がするまで回してねじ込みます。
取り付けたら針の外側キャップを真っ直ぐ引き抜き、続いて内側の細いキャップも慎重に取り外しましょう。
これで注射針が露出しますが、針先には絶対に触れないよう注意してくださいね。
STEP③ ダイヤル設定と空打ち
次に、医師に指示された投与量をペンのダイヤルで設定します。
オゼンピックの投与量には段階があり、安全のために必ず医師の指示に従ってください。
投与量に関するルール
- 最初は週1回0.25mgからスタートする
- 体が慣れてきた4週間後を目安に0.5mgに上げる(医師への相談が必要)
- 効果を見ながら1.0mgまで上げる(医師への相談が必要)
次に、新しいペンを初めて使う時だけ、「空打ち」を行います。
投与量設定ダイヤルを「●」マークに合わせ、ペンを縦に(針先を上に向けた状態で)ボタンを押してください。針先から薬液の滴が1滴以上出れば準備完了です。
空打ち後、改めて正しい投与量にダイヤルを合わせます。
もし間違えて回しすぎた場合は、焦らずにダイヤルを戻しましょう。
STEP④ 消毒と注射
いよいよ注射です。以下の手順で落ち着いて行いましょう。
消毒と注射までの手順
- 注射部位を選ぶ
- 消毒する
- 注射する
注射部位は、お腹や太もも、二の腕など皮下脂肪の多い場所を選びます。
同じ場所に繰り返し注射を行うと、しこりなどの皮膚トラブルリスクが高まるため、毎回少しずつ場所を変えるのがポイントです。
次に、注射部位をアルコール綿で消毒し、完全に乾かします。
片手で皮膚を軽くつまみ、もう一方の手で針を皮下にまっすぐ刺します。
その後、親指でペンの注入ボタンを一気に奥まで押し込み、投与量表示窓の数字が「0」になるのを確認しましょう。
STEP⑤ 注入後は静かに抜く
ボタンを押し切った後は、そのままの状態で、最低6秒間ゆっくりと数えましょう。
これは、決められた量の薬液が、漏れることなく全て体内に注入するための、大切な時間です。
数え終えたら、針を刺した時と同じ角度で、垂直に静かに抜きます。
抜いた後、注射部位に清潔な綿などを当てて軽く押さえれば完了です。
オゼンピックでのダイエットを成功させる3つのコツ
オゼンピックはダイエットを後押ししてくれますが、薬に頼るだけではなく生活習慣の改善も並行して行うことが成功のカギとなります。
薬の効果を十分に引き出し、リバウンドしにくい健康的な減量を達成するために、以下のポイントを意識しましょう。
医師の指導を守って使用する
オゼンピックは医薬品なので、必ず医師の指導のもと正しく使用することが必須です。
自己判断で投与量を変更したり、指示された頻度を守らなかったりすると、期待する作用が見込めないばかりか副作用のリスクが高まります。
特に「早く痩せたいから」といって勝手に用量を増やすのは絶対に避けてください。
オゼンピックは初期量から徐々に増量する必要があり、そのスケジュールも医師があなたの状態を見て判断しています。
また途中で勝手に使用を中断すると強い食欲が戻ってリバウンドする恐れもあります。
栄養バランスの良い食事を心がける
オゼンピックによる食事量が減ることで、以前よりもビタミンやミネラルなど微量栄養素が不足しがちになる可能性があります。
たとえ少量でも、主食・主菜・副菜が揃ったバランスの良い献立を心がけ、タンパク質や食物繊維もしっかり摂取してください。
特にタンパク質は筋肉量を維持して基礎代謝を落とさないためにも大切です。
また「食欲がないから」と食事を抜いてしまうと低血糖の恐れもあります。
1日3食きちんと食べて栄養バランスを保てば、オゼンピックの効果も長続きします。
定期的な運動を心がける
オゼンピックは食事量を減らすサポートをしますが、身体活動量が不足しているとどうしても体重の減り方がゆるやかになってしまいます。
ウォーキングやジョギングなど有酸素運動を中心に始めてみましょう。
運動によりカロリー消費を増やすだけでなく、筋力がつくことで基礎代謝も上がり太りにくく痩せやすい体質に近づきます。
特に、オゼンピックを含むGLP-1受容体作動薬による減量では、脂肪と共に筋肉量も減少する可能性があります。
そのため、基礎代謝の低下やリバウンドを防ぐため、タンパク質の摂取と筋力トレーニングの併用が極めて重要です。
オゼンピックのダイエット効果に関するよくある質問
最後に、オゼンピックを使ったダイエットについて、よくある質問とその回答を紹介します。
費用や効果の現れ方、薬剤の取り扱いなど、気になるポイントをQ&A形式でまとめました。
オゼンピックの値段相場は?
自由診療のため、オゼンピックの価格はクリニックごとに異なります。多くの場合「2.0mgペン 1本」という単位で購入し、値段相場は2~3万円です。
週に使う量(投与量) | 月額費用の目安 |
---|---|
0.25mg | 15,000円~25,000円 |
0.5mg | 20,000円~30,000円 |
1.0mg | 40,000円~60,000円 |
※上記の月額費用は「オゼンピック2.0mgペン(1本 約2〜3万円)」を基準とした目安です。
※0.25mgは開始用量でペン1本を約2ヶ月、0.5mgは維持用量で1本を1ヶ月、1.0mgは1ヶ月でペン2本を使用する計算です。
上記に加え、初診料や血液検査費用、針・消毒綿代などが別途かかる場合もあります。
名目 | 値段相場 |
---|---|
針・消毒綿代 | 550円程度 |
診察代 | 1,000円程度 |
送料(クール便) | 2,000円程度 |
継続期間や目標体重によってトータル費用は変わりますので、事前にクリニックで見積もりを相談すると安心です。
オゼンピックの効果はいつから?
効果の感じ方には個人差がありますが、使い始めてから2〜3ヶ月ほどで体重減少を実感し始める方が多いようです。
食欲抑制や満腹感持続といった作用自体は、注射開始後数週間で現れますが、最初は低用量からスタートするため減量効果には時間がかかります。
したがって「思ったより痩せない」と感じても少なくとも3ヶ月前後は継続することが大切です。
焦って途中で止めてしまうと十分な効果が得られないばかりか、リバウンドのリスクもあります。
オゼンピックを使用できない、または注意が必要な人は?
オゼンピックは、すべての方が安全に使用できるわけではありません。
次に該当する人は、使用が禁止(禁忌)されていたり、使用に際して特別な注意が必要となります。
安全のために、受診時は必ずご自身の状態を医師へ正確に伝えてください。
オゼンピックを使用できない人は次のとおりです。
使用が禁止されている方(禁忌)
- 過去にオゼンピックの成分でアレルギー反応
(過敏症)を起こしたことがある人 - 1型糖尿病を患っている人
- 重症の感染症にかかっている人
- 大きな手術を控えているなど、緊急の状態にある人
次に、オゼンピックの使用に特別な注意が必要な人は次のとおりです。
使用に特別な注意が必要な人
- 過去に膵炎(すいえん)と診断されたことがある人
- 重度の胃腸障害(胃もたれ、便秘など)がある人
- 現在、糖尿病の治療薬を使用している人
- 妊娠中、授乳中、または妊娠を希望している人
オゼンピックの保管方法は?
未開封のオゼンピックは冷蔵庫で保管するのが基本です。
直射日光を避け、野菜室など温度変化の少ない場所で保管してください。
開封後のペンは室温で保存可能ですが、使用開始から8週間以内に使い切る必要があります。
長期間放置すると薬液の劣化につながるため、開封したら2ヶ月以内に使い終えるスケジュールで治療を進めてください。
また、保管の際は毎回針を外し、ペンにキャップをきちんと閉めた状態で保管します。
針を付けたままだと薬液漏れや細菌混入の原因になりますので厳禁です。
オゼンピックのダイエット効果に関するまとめ
本記事では、巷で耳にするオゼンピックの「ダイエット効果」や、噂の真相、副作用について解説しました。
オゼンピックは、週1回の注射で食欲抑制と満腹感持続効果を発揮し、脂肪燃焼もサポートしてくれる薬です。
従来の食事制限ダイエットに比べて無理のない形での減量が期待できます。
一方で、胃腸の不調や稀な膵炎など副作用リスクもありますが、医師の指導のもと適切に用いれば安全に使用できます。
本記事を読んで「オゼンピックについてもっと知りたい」という人は、信頼できるクリニックの無料カウンセリングで相談してみてはいかがでしょうか。