マンジャロで「痩せない」と感じる理由は？「痩せる」を目指すために大切な3つのことを解説

近年、体重減少効果で注目を集めるマンジャロですが、なかなか痩せないと感じる人も少なくありません。

実際に、インターネットの知恵袋では「マンジャロ 痩せない」というキーワードで情報や、共感者を探す人も少なくはありません。

マンジャロは食欲の抑制や血糖コントロールに働きかける薬品ですが、生活習慣や使用方法によって差が出るのも事実です。

本記事では、マンジャロで痩せないときの8つのチェックリスト、痩せるために大切なことを分かりやすく解説していきます。

マンジャロとは？体重管理をサポートする仕組み

マンジャロ（一般名：チルゼパチド）は、週1回の皮下注射で投与する2型糖尿病治療薬です。

従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、GIPというホルモンにも作用する新しい薬剤（GIP/GLP-1受容体作動薬）に分類されています。

マンジャロの特徴

マンジャロは、食欲に働きかけることで、計画的な体重管理のサポートが期待されている薬品です。

食後に小腸から分泌される「GIP」と「GLP-1」という2つのホルモンに働きかけます。

これにより、食欲を抑えたり、満腹感を持続させたりする作用が期待できます。

ただし、作用の現れ方や体重の変化には個人差があるため、あくまで「生活習慣の改善をサポートする選択肢の一つ」と捉えることが大切です。

マンジャロで期待される効果

マンジャロは、GLP-1とGIPへの二重作用が期待されています。

これにより、脳の満腹中枢が刺激されることで、過剰な食欲を抑えます。

また、胃内容物の排出が遅くなることで満腹感が持続するため、食事量を自然に減らしやすくなるという点も期待される効果の一つとして挙げられるでしょう。

さらに、インスリンの働きを改善し、血糖値のコントロールを助ける作用も報告されています。

これらの作用が総合的に働くことで、無理なく摂取カロリーを減らすことができ、体重管理がしやすくなると考えられています。

マンジャロで痩せない理由は？8つのチェックリスト

マンジャロは体重減少作用が期待される一方、「思うように変化がない」と感じる方も少なくありません。

マンジャロは医薬品であり、その作用の現れ方は、生活習慣や使用方法によって大きく左右されます。

ここでは、マンジャロで痩せない理由として8つのチェックリストを解説します。

マンジャロだけで痩せると思っている

マンジャロは体重管理への応用が注目されている医薬品ですが、日本国内では肥満治療薬として承認を受けているわけではありません。

そのため、マンジャロを使用するだけで痩せると期待している人には注意が必要です。

多くの人が「薬を使えば食事も運動も気にせず痩せられる」と考えがちですが、マンジャロはあくまで生活習慣改善と併用することで効果が期待できます。

実際、臨床試験でも食事や運動と並行して投与されており、薬だけで劇的に体重が減少するわけではありません。

また、薬をやめた後にリバウンドするケースも報告されており、根本的な生活習慣の見直しがなければ一時的な成果にとどまります。

BMIが20前後で標準～やせ型の体型をしている

マンジャロは、2型糖尿病の治療で血糖値をコントロールするお薬です。同時に、体重管理への良い影響も期待され、注目されています。

そのため、自由診療でマンジャロを処方するクリニックも増えてきました。ただし安全性の観点から、処方には「BMI25以上」などの基準を設けていることがほとんどです。

そのため、BMIが20前後の標準〜痩せ体型の人では効果が出にくいとされています。

BMI18.5に近い人はそもそも体脂肪率が低く、これ以上の体重減少は栄養不足や体調不良のリスクを伴う可能性があります。

日本人では、WHO基準の肥満（BMI30以上）に当てはまる人は少ないため、標準体重近辺の体格では臨床データも十分でなく、マンジャロによる体重変化を感じにくい場合があります。

マンジャロはあくまで体重減少が必要な人を対象とした薬剤です。

すでに痩せ型に近い方は無理に使用せず、バランスの良い食事で健康的な体重を維持できるよう心がけましょう。

高カロリーな食事を摂り過ぎている

マンジャロは食欲を抑える作用がありますが、高カロリーな食事を続けていては効果が薄まってしまいます。

脂質や糖質の多い食品、間食やアルコールなどを多量に摂取すると、摂取カロリーが基礎代謝や運動で消費するカロリーを上回りやすくなります。

例えば揚げ物や炭酸飲料、アルコールなどには高カロリーなものが多く、マンジャロで食欲が減っても食事内容の質にも注意しなければ、体重は思うように落ちません。

摂取カロリーと栄養バランスを意識して、偏りのない食事管理を心がけることが大切です。

睡眠不足が続いている

睡眠不足は、食欲を増進させるホルモン（グレリン）の分泌を増やし、逆に食欲を抑えるホルモン（レプチン）の分泌を減らすことが知られています。

これにより、無意識のうちに過食になりやすいと考えられており、ダイエットにとっては大敵です。

また、睡眠中には体のコンディションを整え、代謝に関わる成長ホルモンが分泌されます。

睡眠が不足するとこれらのホルモンバランスが乱れ、体重管理がしにくくなる可能性も考えられるでしょう。

服用期間中に全く運動をしていない

マンジャロは食事量を減らして体重を落としやすくする薬ですが、運動習慣がまったくない状態では効果が出にくくなります。

運動不足が続くと基礎代謝が低下し、筋肉量も減少してしまうため、同じ食事量でも太りやすい体質になってしまいがちです。

マンジャロ服用中でも、日常的に有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れることで筋肉量を維持・増加させ、基礎代謝を上げることができます。

運動を取り入れることで薬の効果をさらに引き出し、体重減少につなげやすくなります。

薬の用量が自分に合っていない

マンジャロ治療は、通常2.5mgという低用量から開始し、4週間ごとに5mg、7.5mgと段階的に増量していくのが一般的です。

そのため、最初の1〜2ヶ月は体重の変化が緩やかに感じられるかもしれません。

自分に合った適切な用量かどうかは、医師と相談し、体調や体重の変化を報告しながら決めることが大切です。

使用方法が適切ではない

自己注射による使用方法が正しくないと、必要量が体内に入らず効果が減弱します。

専用の注入器を使った自己注射は手順が簡単ですが、注射技術に不安がある場合は正しいやり方で投与できているか確認しましょう。

また、決められたタイミングを守らないと効果が出にくくなります。

マンジャロは通常1週間間隔で注射するため、次の投与日を忘れてしまうと効果が途切れがちになります。

打ち忘れを防ぐために手帳やアラームで管理するなどの対策が必要です。

もし自力で自己注射が難しい場合や、注射部位に強い痛み・腫れなどの問題が続く場合は、医師や看護師に相談して適切なサポートを受けてください。

効果が出る前に服用をやめてしまった

マンジャロを使い始めてすぐに「効果がない」と思い、服用を自己判断で中止してしまうと、継続的なダイエット効果は得られません。

マンジャロは数週間から数ヶ月かけて徐々に効果を発揮する薬であり、早期に中止すると食欲抑制効果も失われてリバウンドしやすくなってしまいます。

特に中断すると食欲が元に戻りやすく、血糖コントロールにも悪影響が及ぶ恐れがあります。

マンジャロの作用は、継続して使用することで徐々に現れてきます。

焦らず医師の指示した期間・用量を守り、必要なら段階的に増量するようにしましょう。

マンジャロで「痩せる」を目指すために大切な3つのこと

マンジャロの作用を適切に得るためには、薬だけに頼るのではなく、食事や運動を併用することが重要です。

生活習慣が改善されていなければ、リバウンドのリスクも考えられます。

ここでは、安全に治療を継続し、体重管理を行うための基本的な考え方について解説します。

医師の指導を守って使用する

マンジャロは医薬品なので、必ず医師の指導のもと正しく使用することが必須です。

自己判断で投与量を増やしたり減らしたり、指示された頻度を守らなかったりすると、効果が得られないばかりか副作用のリスクが高まります。

上記に加え、頻度は不明ですが、アナフィラキシー（全身の激しいアレルギー反応）や血管性浮腫（顔、唇、舌などの腫れ）も報告されています。

マンジャロは初期量から徐々に増量する必要があり、そのスケジュールも医師があなたの状態を見て判断しています。

「早く痩せたいから」といって勝手に用量を増やすのは絶対に避けましょう。

定期的に有酸素運動を心がける

マンジャロを十分に活用するには、運動習慣を定着させることが大切です。

運動は消費カロリーを増やし、筋肉量や基礎代謝を維持・向上させるために欠かせません。

特にウォーキングやジョギングといった有酸素運動は、脂肪燃焼に有効です。

また、筋力トレーニングも取り入れて、太ももやお尻・背中など大きな筋肉を鍛えると基礎代謝がさらに上がるものです。

日常生活でも、エレベーターではなく階段を使う、一駅分多く歩くなど、こまめな身体活動を増やす工夫が有効です。

無理なく継続できる範囲で運動習慣を取り入れることで、マンジャロのダイエット効果がより高まります。

食事の栄養バランスと量を見直す

食事内容を見直し、摂取カロリーと栄養バランスを整えることも大切です。

まずは自分の食事量や内容を把握するために、食事記録アプリや食事日記などで摂取カロリーを記録して分析しましょう。

これにより、間食や飲み物に含まれる「隠れカロリー」や栄養の偏りが見えてきます。

記録をもとに食事を改善し、特にタンパク質や食物繊維をしっかり摂ることが推奨されます。

タンパク質は筋肉量を維持して満腹感を高め、食物繊維は血糖上昇を抑えて満腹感を持続させるものです。

また、炭水化物や脂質も適度に必要ですが、全粒穀物や良質な油などの質の良いものを選び、量を管理しましょう。

食事はよく噛んでゆっくり食べる、水分を十分に摂る、間食・夜食を控えアルコールも制限するなど、具体的な食行動を見直すことも有効です。

マンジャロで痩せないことに関するよくある質問

ここでは、マンジャロの用量や生理周期、いつ頃から体重減少を感じられるのかなど、よくある質問に分かりやすくお答えします。

正しい知識を身につけて、安心して治療を続ける参考にしてください。

マンジャロの2.5mgは痩せない？

2.5mgは、薬に体を慣らすための「開始用量」であり、本格的な効果を期待する「維持用量（5mg以上）」ではありません。

そのため、一般的にはこの段階で大きな変化を感じる人は多くないでしょう。

ただし、食欲への作用が不十分に感じる場合でも、自己判断で用量を変更するのは大変危険です。

最初の1ヶ月は様子を見て、副作用などの問題がなければ処方を受けたクリニックで相談してみましょう。

生理中にマンジャロを打っても痩せない？

マンジャロの効果が月経周期に左右されるという科学的根拠はありません。

生理前後は、ホルモンバランスの変化や水分貯留などで体重が一時的に増減しやすくなりますが、マンジャロの食欲抑制や胃の排出遅延は月経中も変わりません。

ただし、月経中は無意識に甘いものを多く食べてしまったり、体が重く感じて運動量が減ったりといった要因で体重が減りにくくなることはあります。

生理周期にかかわらず、日々の摂取カロリーと消費カロリーのバランスを意識し、投与を継続することが重要です。

マンジャロの効果はいつ頃から実感できる？

マンジャロは早くても数週間で効果の兆候が現れる薬です。

投与開始1～4週間ほどで食欲低下や満腹感の増加を感じる人が多く、その後2～4週間ほどで体重の減少が確認できるようになります。

しかし、更なる減量を目的とするのであれば、通常3～6ヶ月以上の継続使用が必要です。

臨床試験でも多くの場合、数十週間単位の長期治療で効果を評価しています。

効果を急ぐことなく、医師の指導のもとで焦らず継続することが成功のポイントです。

【まとめ】マンジャロで「痩せない」と感じたら考えるべきこと

本記事では、「マンジャロで痩せない」と感じる場合に考えられる理由や、大切なことを解説しました。

本記事で紹介したように、その背景には食事や運動、薬の用量など、様々な要因が考えられます。

自己判断で用量を増やしたり、極端な食事制限に走ったりすることは絶対に避けてください。

まずはご自身の状況がチェックリストのどれかに当てはまらないかを確認し、不安な点があれば必ず処方医に相談しましょう。

医師と相談して、ご自身に合った適切な治療法を見つけることが、安全で健康的な体重管理への第一歩です。